名古屋から小田原へって、こんな本数少ないの?結局遅刻しました。

さて、 名古屋の地下街で 「 味噌煮込みうどん 」 を食って14時台のひかりに乗る。
のぞみの停車駅はいきなり新横浜だ。
新横浜から平塚に折り返すと電車賃もかかるし小田原から行くより30分くらい掛かる。
しかし、 だ。 ここから先は時刻表なんて先に調べてなくて、 まさか小田原に停まるひかりなんかバンバンあるだろう、 と高をくくっていたらなんだよ、 ねぇじゃん。
しかもこの時代ひかりなんかのぞみより格下だからのぞみに線路を譲るために駅での停車時間の長い事長い事。

車内にある時刻表で確認だ。
何々静岡でこだまに乗り換えで小田原到着16:30と来た。
何だよ17時の開始までに間にあわねーじゃん。
しかも数字小さいし、 こっちは老眼でよく見えねェし、 どっちかっていうと15と16が同じに見えるんだな。
人に聞くのも小さなプライドが許さないし。

さぁ小田原だ。
横浜方面のホームに立つ。
土曜日だ。 ハイキング帰りのジジイやババアがやりきったが顔でリック背負ってるし。
「 高崎行き…… 」 なんてアナウンスが流れる。
今は高崎まで直通があるのか? 関東圏遠くなりけりだ。

さぁ平塚に着いたのは16:15分。
届いたはがきに大雑把な地図が書いてあった。 場所はジャパニーズダイニング 「 和民 」 だ。
看板はどこだ。
駅から2分って書いてあったけど、 およそ駅前っていうのはわかるがパッと見わからないと不安だ。
「 魚民 」 あたりで何とかなんねぇか?
無理だ。 一人で突っ込んでボケる。
携帯が鳴る 「 今どこだ 」 同期の地元の毎年参加の男だ。 「 駅前だが会場がわからん 」 「 ファーストキッチンを左に曲がって真っ直ぐだ 」 「 長崎屋が見えるが? 」 「 その角を左に曲がるとあるぞ! ザ・ウオタミ 」 「 OK! レッツゴー」
途中ウコンの力スーパーをラッパ飲みしながらやや速足で急ぐ。

あった! どこが駅から2分だよ。 看板も控えめだ。 謙虚な姿勢か?
携帯がなければまた迷子になっていた。

和民の扉をあけると階段の下にいたのは先ほどの電話の男だ。
「 おーしばらくだ 」 
握手。

2階の部屋に行く。

地元の連中はほぼ毎回参加し一年間の話をしあうので 「 話の持って行き方 」 がわかりやすいがこっちは25年ぶりだ。 「 去年の話の続き 」 なんかない。 何を話せばいいか? 聞かれた事には答えるが話題は振りにくい。全部新ネタだ。
自分の事、 かみさんや子供の事なんかが一番話題にしやすいけどそればっか言ってるのもなんだし。
広がっていかない。
で、 案の乗 「 先輩、 先輩 」 だ。 まぁそれがいいやすいけど。

時間はどんどん過ぎていく。 さぁとりあえずガンガン飲む。

まぁ人間なんかそんなに極端に容姿が変るもんではないな。 髪型だって色こそ変ってもよっぽどじゃなきゃ変るもんじゃないし。 禿げになるくらいだ。

もう帰る時間カウントダウン。 その時 「 こんばんは 」 と一人女性が現れる。
ひとつ上の先輩で当時女子高生ながらその美貌をバンバン振りまいていて教師も誰もがファンだった。
わたしもそうだった、 無論。 
一生逢えないと思っていた。 逢えるはずないと思っていたのに、 まさかここで逢えるとは。
皆もそう思っていたのだろう、 空間は急に彼女を中心に華やかになった。

しかし心根が捻じれて歪んで乾いている私は何処か素知らぬリアクション。
「 なんだ来たんスか 」 心はかぶりつきなのに素振りは見せようともしない。

「 ま、 来たんだから挨拶でもするか 」 的なちょっとつけ放したようなふりで隣に座ったとたん目が逢ってその笑顔と声が25年前から奇跡のように変っていなくて、 急にメロメロになってしまった。

帰る時間だ。 集合写真を撮る。
「 携帯! 番号教えて! 」 云われて教える。
喧噪のなか仕事先や何かを聞いたけど右から左に言葉は流れていく。
「 ねぇ先輩。 俺は高校の頃ひとつ年上の女性が好きでした 」
「 …… 」
「 今女房は一つどころか結構上で…… 」 

両手で握手しあった。 高校生の時には出来なかった、 大人になったからこそできる、 心のこもった握手だけど、もうこうやって握手しあうのも最後かな、 なんて思えてしまうどこか真面目な力と心がこもった握手だ。

乗らなければいけない東海道線が駅に間もなく到着する。
履きにくい革靴の紐が上手に結べない。

東海道線の車窓からの景色は夜闇が圧倒的だ。 数分前の賑わいから押し出されたように私は孤独になる。
でも心の中は今まで感じた事のない温もりが宿っているのも事実。
しばらくの間は独りニヤニヤしていてもいいだろう。
そして当分は思い出して浮かれてもいいだろう。


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